EM(有用微生物群)とは

EMとは、Effective Microorganismsの略語で、有用な微生物群という意味です。EMは特殊な微生物ではなく、自然界に生息分布している微生物の中から、自然界を浄化する働きや物質を生合成を行う働きを持つ有用な微生物を、人間の手によって培養させた複合微生物集団を培養液としたものです。

EMに含まれる主な微生物は、乳酸菌群、酵母群、光合成細菌群、発酵系の糸状菌群、グラム陽性の放線菌群です。 この中には、発酵食品などに利用されている微生物もあります。 乳酸菌、酵母など人間にとって有効な微生物を善玉菌と言いますが、いろいろな性格の善玉菌を組み合わせることで、大きな効果をもたらすことを沖縄の琉球大学農学部の比嘉照夫教授が発見したのです。

EM1

EM1に培養されている有用微生物群は、それぞれが重要な働きをしています。とくに中心的な役割を果たしているのが光合成細菌です。光合成細菌の働きは、他の微生物たちの活動を根底から支えていると言えます。 また、光合成細菌も他の微生物たちのつくり出した物質を活用しており、いわゆる共存共栄の関係になっています。これらの微生物群が連動した状態で土壌に定着することにより、土壌環境が大幅に改善され特定の微生物が片寄って増殖することも少なくなります。また、有害な微生物を抑え、有用な微生物が豊富になり、バランスのとれた土壌になります。このような土壌環境になると、作物生産がスムーズにおこなわれ、土壌病害も発生しにくくなります。

次のページでは、EMが誕生した経緯・現在までの発展などについて紹介します。

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